理事長あいさつ
このたび、一般財団法人豊中市医療保健センター理事長に就任しました。
当センターは、昭和49年(1974年)に、豊中市と三師会(一般社団法人豊中市医師会、一般社団法人豊中市歯科医師会、一般社団法人豊中市薬剤師会)が出捐し設立されました。
法人の設立目的である『豊中市の地域医療体制の確立と地域住民の健康の維持および福祉の充実』をめざして、現在、休日等急病診療事業により豊中市の休日の初期救急を担うことをはじめ、障害者及び在宅ねたきり者等の歯科診療事業などを手がけ、一般のクリニックでは受診が難しい人の歯科治療や口腔ケアなどにより口腔衛生状態を良好に保つサポートをしています。令和4年7月から開始した障害者(児)集団市民健診・予防接種事業においても、一般の診療所で受診が困難な人の「けんしん」を障害福祉サービス事業所単位で実施することで、病気の早期発見、予防、健康状態の把握に役立てられています。
また、健康教育センター事業として健康相談や健康講演会を実施し、健康に対する正しい知識の普及・啓発に努めています。
令和5年度からは、大阪国際空港メディカルクリニックの運営を開始し、空港内での急病対応や海外渡航者向けの予防接種をはじめとした防疫事業、空港で働く人や地域にお住まいの人々の健康診断やがん検診などの健診事業を通じて、空港を利用する人や空港で働く人、空港周辺の住民の皆さまの健康維持増進に取り組んでいます。
各種事業の実施にあたっては、豊中市や三師会と常に連携し、協働しながらそれぞれの専門分野における知識や技術をつなげることにより総合力を高め、地域におけるセーフティネット機能の確保に努めるとともに、社会情勢の変化を的確にとらえ、事業の改廃や拡充などを随時行っています。
とりわけ、新型コロナウイルス感染症の流行期には、迅速な対応が求められる中、医療従事者のワクチン接種や発熱外来設置などに取り組み、市内の医療体制の確保や市民の皆さまが安心して受診できる環境整備を行いました。こうした経験をふまえ、さらなる診療体制の充実を図るとともに、令和6年度に豊中市と締結した連携協定に基づき、非常災害時の応急救護所設置及び運営を円滑に行えるよう訓練への参加や備蓄体制の整備を進めているところです。
超高齢化社会において、健康寿命を延ばすことがますます重要な課題となっています。今後も、市民の皆さまが安心して暮らしていく基盤となる『健康』についてさまざまな施策を考え実行していくことで、地域医療体制のさらなる充実・強化に貢献してまいります。
一般財団法人豊中市医療保健センター
理事長 籔 床 和 弘